CDレンタル店調査 1999年度
内容は1999年8月発表当時のものです。
当協会では、毎年全国のCDレンタル店の実態を把握する為に、全店調査を実施しています。16回目の本年も3月から6月にかけて当協会調査員による全国4,235店の訪店調査を行いました。
CDレンタル店の店舗数は今年6月末現在4,264店で前年比2.5%減。89年末の6,213店をピークとしたCDレンタル店の穏やかな減少傾向は今年も継続しています。
また、今年6月までの半年の間に、新規開業店は174店、閉店は241店と、415店が入れ替わっており、ここ数年店舗の入れ替わりは年間1,000店のペースが続いています。
90年以降、減少する店舗数とは反対に店舗面積は拡大を続けています。店舗全体の面積(他の売場を含む)を見ると455m2で前年に比べて8%増となっていますが、CDレンタルコーナーの面積は、96年以降横ばいになっています。これは、ビデオレンタル(180m2、前年比8%増)以外に、新品・中古CD販売、書籍、ゲームソフト販売も兼業する大型複合店の出店が増えてきているからと言えます。
なお、兼業の状況(複数回答による集計)はビデオレンタルを兼業している店舗は全体の97.3%(前年96.7%)、書籍販売38.5%(前年36.1%)、中古CD販売93.6%(前年92.8%)、ゲームソフト販売34.4%(前年24.8%)となっており、ますます複合化が進んでいますが、CDレンタル専業店は2.7%(前年3.3%)まで減少しています。
CDの総在庫数はここ数年アルバムは横ばい、シングルは順調に増加をしていましたが、本年の調査では、アルバムが僅かながら減少し、シングルは対前年比9.4%と大幅に減少しました。
また、1店舗平均在庫数もアルバム・シングル共に減少し、合計在庫数も95年以来1万枚を切りました。在庫規模による分布を見ると、中型店(在庫数4千枚~1万枚未満)が3.4ポイント増の45.1%、一方、大型店(1万枚以上)は2.5ポイント減の43.4%、小型店(4千枚未満)は0.9ポイント減の11.5%と減少しています。
今回の調査結果から、店舗全体の面積、兼業率などは増加を続けている事がわかりますが、CDレンタルのみを見た場合、CDレンタルコーナーの面積は横ばいとなっており、店舗数及び在庫数の減少等、CDレンタル業は、全体的の縮小傾向となっています。
ユーザーの音楽の楽しみ方の一つとして定着してきたといわれるCDレンタルですが、中心層である若年層人口の減少や趣味の多様化による小遣いの分散(音楽離れ)等CDレンタル業界にとっても厳しい環境となっており、独自性のある複合的な展開をいかに打ち出していくかが今後の大きなポイントといえるのではないでしょうか。