CDレンタル店調査 2000年度
内容は2000年8月発表当時のものです。
当協会では、毎年全国のCDレンタル店の実態を把握する為に、全店調査を実施しています。17回目の本年も3月から6月にかけて当協会調査員による全国3,954店の訪店調査を行いました。
CDレンタル店の店舗数は2000年6月末現在4,000店台を切り、3,954店と前年比7.3%減。89年末の6,213店をピークとしたCDレンタル店の穏やかな減少傾向はこの一年で加速されました。
また、今年6月までの半年の間に、新規開業店は156店、閉店は318店と、474店が入れ替わっており、ここ数年店舗の入れ替わりは年間1,000店のペースが続いています。
90年以降、減少する店舗数とは反対に店舗面積は拡大を続けています。店舗全体の面積(他の売場を含む)を見ると493m2で前年に比べて8%増となっていますが、CDレンタルコーナーの面積(54.1m2)は、96年以降横ばいになっています。
店舗面積の拡大は、ビデオレンタル(194m2、前年比8%増)以外に、新品・中古CD販売、書籍、ゲームソフト販売も兼業する大型複合店の出店が増えてきているからと言えます。
なお、兼業の状況(複数回答による集計)はビデオレンタルを兼業している店舗は全体の97.9%(前年97.3%)、書籍販売40.6%(前年38.5%)、中古CD販売95.0%(前年93.6%)、ゲームソフト販売41.6%(前年34.4%)といずれも前年を上回っており、特にゲームソフト販売の伸びが目立ちます。一方CDレンタル専業店は0.8%まで減少しています。
CDの総在庫数は97年をピークに、ここ数年減少傾向にあり、97年対比で総在庫で20.3%減(前年比13.1%減)、アルバムは10.5%減(前年比4.6%減)、シングルは8cmシングルから12cmシングルへの急激なシフトの影響もあり、31.8%減(前年比23.6%減)と大幅に減少してきています。
また、1店舗平均在庫数のアルバムは前年比1.5%増ですが、シングルは18.1%減と大幅に減少し、合計在庫数も9,105枚の7.2%減となりました。
在庫規模による分布を見ると、中型店(在庫数4千枚~1万枚未満)が5.7ポイント増の50.8%、一方、超大型店(1万5千枚以上)は6.3ポイント減の8.4%、大型店(1万枚~1万5千枚)は1.5ポイント増の30.2%、小型店(4千枚未満)は0.9ポイント減の10.6%と減少しています。
今回の調査結果から、店舗全体の面積、兼業率などは増加を続けている事がわかりますが、CDレンタルのみを見た場合、CDレンタルの売上不振を背景に店舗数の減少、超大型店の減少、在庫数の減少、CDレンタルコーナーの面積横ばい等、CDレンタル業は全体的にさらに縮小傾向が進んでいます。
ユーザーの音楽の楽しみ方の一つとして定着してきたといわれるCDレンタルですが、長期化する不況、中心層である若年層人口の減少や、趣味の多様化による小遣いの分散(音楽離れ)等CDレンタル業界にとってもこれまで以上に厳しい環境となっており、これを乗り切る為に、今後ますます複合店化の方向に拍車がかかるものと思われます。