当協会では、全国のCDレンタル店の実態を把握するために、毎年全店調査を実施しています。
20回目となる2003年は、4月から7月にかけて、当協会調査員による全国3,481店の訪店調査を行いました。

CDレンタル店舗数は89年末の6,213店をピークに毎年減少を続け、2 0 0 3 年7 月末現在で3,472店と前年比4.0％減、89年対比で44％減となりました。また、今年1月から7月までの間に、新規開業店は196店、閉店は296店と、492店が入れ替わっています。（図1参照）

店舗の大型化と複合化は今年も続いています。店舗全体の面積（他の売場を含む）を見ると1店当り606.9m2（前年比7.2％増）、ビデオレンタルコーナーの面積は245.7m2（前年比6.8％増）、新品・中古CD販売、書籍、ゲームソフトの販売などその他コーナーが305.5m2（前年比9.2％増）となっています。一方でCDレンタルコーナーの面積（57.9m2）は、96年以降ほぼ横ばいになっています。（図2参照）
兼業の状況（複数回答による集計）を見ると、ビデオレンタルを兼業している店舗は全体の99.1％（前年98.8％）、DVDレンタル95.8%（前年83.2%）、中古CD販売96.8％（前年96.4％）、書籍販売48.0％（前年45.7％）、ゲームソフト販売48.0％（前年46.1％）、中古CD買取28.8％（前年16.2％）といずれも前年を上回り、特にDVDレンタル兼業率はこの1年で12.6％伸び、ビデオレンタルの兼業率に近づいてきています。

レンタル用CDの総在庫数は、97年をピークに減少傾向にあり、シングル・アルバムを合わせて30,288千枚と前年比2.4％減になっています。内訳を見ると、シングルは22.3％減と大きく減り、アルバムは前年比6.3％増となっています。（図3 （a）参照）
1店舗当りの平均在庫数で見ると、シングルは前年比19.2％減、アルバムは10.5％増となり、シングル・アルバムの合計在庫数は8,701枚の1.5％増となっています。（図3（b）参照）
また、CDの在庫規模による店舗数分布を見ると、小型店（4千枚未満）は前年比1.1ポイント減の10.2％、中型店（在庫数4千枚～1万枚未満）は0.9ポイント増の57.0％、大型店（1万枚～1万5千枚）は0.1ポイント減の26.4％、超大型店（1万5千枚以上）は0.3ポイント増の6.4％となっています。（図3（c）参照）
ビデオレンタル兼業店のビデオテープの総在庫数は70,574千本（前年比2.8％増）、1店当り平均20,468本（前年比6.6％増）と年々増加しています。DVDレンタル兼業店のDVD総在庫数は6,424千枚（前年比96.8％増）、1店当り平均1,927枚（前年比77.9%増）と急伸しています。調査を始めた2000年対比では、店舗数で2.3倍、総在庫数では12倍（1店舗当たりの平均在庫数で6.5倍）と、DVDレンタルが数年で急速に広まったことがわかります。

今回は特にCDレンタルのシングルからアルバムへのシフト、DVDレンタルの成長がきわだっています。また、ここ数年の傾向である大手フランチャイズ店・大手チェーン店の伸展と小規模店・専業店の撤退による店舗の大型複合化、一方で店舗数の減少・総在庫枚数の減少等CDレンタル業を取り巻く環境が大きく変化していることがわかりました。