プレスリリース
違法音楽アプリ・リーチサイトの利用に関する調査を実施
改正著作権法施行後1年で利用者減少が続く
2022.02.25
日本レコード協会
当協会は、違法音楽アプリ及びリーチサイトの利用実態に関する調査を2021年11月に実施いたしました。2020年10月1日に違法音楽アプリなど違法なコンテンツに誘導するリーチサイト・リーチアプリの規制強化を目的とする改正著作権法が施行されたことを受け、同年11月に実施した前回調査(https://www.riaj.or.jp/news/id=289)に続き、今回の調査では、違法音楽アプリに加えてリーチサイトにも対象を広げ、改正法施行一年後における変化を含め分析を行い、調査報告書として取りまとめました。
違法音楽アプリ(MusicFM、MusicBox)の利用者数は、2020年3月246万人、同年9月81万人、法改正直後の2020年11月で64万人と減少していたが※1、今回調査(2021年11月)では37万人と更なる減少が見られた。この結果は、後述する法改正の効果や違法音楽アプリの利用面での不満が影響していると考えられる。
※1 過去の調査報告書(利用者数)は、本リリース最終ページ記載のURLを参照のこと
また、今回調査で新たに追加したリーチサイト※2の利用者数は、2020年11月の59万人から、2021年11月には39万人に減少している。
※2 リーチサイト:他のウェブサイトにアップロードされたコンテンツ(音楽・雑誌・漫画等)へのリンク情報等を提供し、利用者を誘導するためのウェブサイト
利用者の年代別構成では、違法音楽アプリ、リーチサイト何れも30才以上が最も高く、次いで12-19才、20代が最も低い結果となった。このうち性年代別でみると、違法音楽アプリは10代・20代女性、リーチサイトは10代男性の割合が突出して多いことがわかった。
違法音楽アプリを利用する理由は前回調査と同様、「無料で利用できるから(53.2%)」がトップであった。利用を中止する理由では「安全ではない感じがする(31.8%)」が最も高く、その他「使いづらい」「聴けない曲やアーティストが多い」「広告が多い」など、利用面で不満を感じている回答が目立った。
過去に違法音楽アプリを利用していたが、現在は利用を止めた人の音楽視聴方法では、「YouTube」「定額制音楽配信サービス」との回答が多く見られた。また同様に、リーチサイト過去利用者の現在の音楽視聴方法では、「定額制音楽配信サービス」がトップ、「購入した音楽DVD・Blu-ray Disc」、「購入した音楽CD」が続き、音楽関連商品を所有することに意欲的な傾向が見られた。
2020年10月に施行された改正著作権法に関する認知状況では、違法音楽アプリの規制を強化する改正法については施行1年以上が経過した2021年11月調査でも前回調査とほぼ横ばい(46.4%)を維持した。リーチサイトの規制強化を目的とした改正著作権法に関する認知状況は24.4%と違法音楽アプリを下回る結果となった。
収益がアーティストに還元されているものと思い利用している違法音楽アプリ利用者は40.3%と前回調査(32.0%)から増加、一方リーチサイトでは55.2%と過半数を超える利用者がアーティストに還元されていると誤った認識で利用している。
また、アーティストへの支払いがないと分かっても、違法音楽アプリ利用者の53.2%(昨年40.0%)、リーチサイト利用者の55.2%が利用を継続すると回答。アーティストが反対する場合の利用意向はそれぞれ39.5%と51.0%まで減少する。
当協会は、今後も著作権への理解を深め、安心して音楽を楽しんでいただける環境を整備するとともに正規音楽サービスの利用を促進し、音楽文化の発展に寄与してまいります。
●報告書掲載ページURL https://www.riaj.or.jp/f/pdf/report/app/app2021.pdf
※ 2020年3月、2020年11月に実施した違法音楽アプリに関する調査については、以下をご参照ください。
▼無許諾音楽アプリに関する利用実態調査結果について(2020年3月調査)
https://www.riaj.or.jp/news/id=275
▼違法音楽アプリに関する利用実態調査結果について(2020年11月調査)
https://www.riaj.or.jp/news/id=289
※違法音楽アプリ根絶を目的に開設した特設サイトは以下よりご覧ください。
▼特設サイト「あの音楽アプリは、もう違法。」
https://www.noinfringingapp.jp/
以上