CDレンタル店調査 2005年度
当協会では、全国のCDレンタル店の実態を把握するために、毎年全店調査を実施しています。
22回目となる2005年も、4月から7月にかけて、当協会調査員による全国3,254店の訪店調査を行いました。その結果を報告いたします。
CDレンタル店舗数は、1989年末の6,213店をピークに毎年減少を続け、2005年7月末現在で3,247店と前年比2.9%減、89年対比で48%減となりました。
また、今年1月から7月までの間に、新規開業店は174店、閉店は232店と、406店が入れ替わっています。(図-1参照)
店舗の大型化と複合化は今年も続いています。1店当りで見ると、店舗全体の面積(他の売場を含む)は690.3m2で前年に比べて6.0%増、CDレンタルコーナーの面積61.6m2は2.7%増(全店の総面積では横ばい)、DVDとビデオのレンタルコーナー面積275.2m2は前年比4.7%増、新品・中古CD販売、書籍、ゲームソフトの販売などその他コーナーが355.1m2で前年比7.6%増です。(図-2参照)
兼業の状況(複数回答による集計)を見ると、ビデオレンタルを兼業している店舗は全体の99.4%(前年99.3%)、中古CD販売96.8%(前年96.5%)、中古CD買取31.5%(前年30.7%)、書籍販売51.4%(前年49.2%)、ゲームソフト販売50.2%(前年46.5%)、DVDレンタル99.3%(前年98.7%)となっています。また、コミックを含む書籍レンタルの兼業店は258店(全体の7.9%)です。
一方でCDレンタル専業店は10店(全体の0.3%)に減少し、また、AVレンタル専業店(CDとビデオ・DVDのレンタルのみ)も652店(全体の20.1%)まで減少しています。
レンタル用CDの総在庫数は97年をピークに減少傾向にありましたが、昨年より増加に転じ、今年もシングル・アルバムを合わせて33,559千枚と前年比4.7%増になっています。内訳を見ると、シングルは5,839千枚で9.0%減となっていますが、アルバムは27,720千枚と前年比8.1%増です。総在庫数はピーク時の97年対比で25.5%減、うちシングルは71.8%減、アルバムは14.1%増となっています。なお、シングル・アルバム比は17対83です。(図-3(a)参照)
また、1店舗当りの平均在庫数で見ると、シングルは1,794枚と前年比6.3%減ですが、アルバムは8,519枚と11.3%増となり、シングル・アルバムの合計在庫数は10,313枚で7.7%増となっています。(図-3(b)参照)
なお、CDの在庫規模による店舗数分布を見ると、小型店(4千枚未満)は前年比1.2ポイント減の 6.6%、中型店(在庫数4千枚~1万枚未満)は5.3ポイント減の49.0%、大型店(1万枚~1万5千枚)は1.5ポイント増の29.3%、超大型店(1万5千枚以上)は5.0ポイント増の15.1%となっています。(図-3(c)参照)
ビデオレンタル兼業店のビデオテープの総在庫数はこれまで増加し続けてきましたが、今回の調査では65,924千本(前年比8.0%減)、1店当り平均20,429本(前年比5.2%減)と、初めて減少しました。
一方、DVDレンタル兼業店のDVD総在庫数は28,432千枚、前年比114.9%増と倍増、また1店当り平均でも8,803枚、前年比110.0%増と倍増しています。調査を始めた2000年対比では、店舗数で2.2倍、総在庫数では53倍(1店舗当たりの平均在庫数で24倍)と、成長が続いています。なおビデオテープとDVDの総在庫比率は70対30(前年84対16)です。
レンタルCD在庫数の増加や店舗面積の拡大、兼業率の増加など、数年来の傾向である大型複合化は今年も続いています。特にCDレンタルのアルバム在庫拡充、DVDレンタルの更なる伸長が顕著です。
音楽の楽しみ方の一つとして定着したCDレンタルですが、パソコンや携帯電話への音楽配信などレンタルに近似しているサービスが本格的にスタートし、取り巻く環境は大きく変わろうとしています。ユーザーの楽しみ方が多様化していく中で、CDレンタル業も大きな転換期を迎えていると言えます。